結論
電圧とケーブルの要件は、システム全体で検討してください。同じ電力を送る場合、送電電圧を高くすることで電流を抑えられますが、地上給電装置、ケーブル、機上コンバータを一体として設計・検討する必要があります。
送電電圧と機体側の電圧を分けて考える
有線ドローン(有線給電ドローン)の電源システムでは、給電ケーブル(テザーケーブル)で送電する電圧と、機上で変換した後の電圧が異なる場合があります。これらの値は別々の項目として整理してください。機上DC-DCコンバータが受け入れる入力電圧と、機体へ供給する出力電圧は別の仕様です。
直流電力、電圧、電流の基本的な関係を押さえると、送電電圧がケーブル選定に関わる理由がわかります。同じ電力を送る場合、電圧が高いほど電流は小さくなります。抵抗による損失は、電流と導体抵抗にも依存します。こうした関係は選定上のトレードオフを理解するためのものです。これだけで安全に使用できるケーブルやコンバータを選定できるわけではありません。
ケーブルの情報を揃える
検討中の構成について、ケーブル長、導体仕様、電気的な制限条件、コネクタの詳細、重量情報を取り寄せてください。実際に繰り出して使用する長さと、リールでの取り扱い方法も含めます。長さだけを比較しても、機体と地上側システムに必要な情報は揃いません。
当社では、想定負荷時に機上機器へ到達する電圧を確認する必要があります。公称の電線サイズだけを単独で選ぶのではなく、実際に使用するケーブルとコネクタに基づいて検討します。異なる地上給電装置のシリーズで使用するケーブルの互換性を前提にしないでください。
コンバータの入力範囲を確認する
コンバータは、規定された入力範囲内で動作させる必要があります。最大限界値と通常動作値を区別してください。例えばTP-P1.5では、規定の動作範囲である360–400 VDCと、最大限界条件である410–420 VDCは別に定められています。
購買時に確認すべきなのは、検討中の地上給電装置、ケーブル、コンバータが、想定する運用条件の範囲で機体要件を満たすかどうかです。電圧表示だけで互換性が保証されると考えず、構成ごとの確認を依頼してください。
検討に使える電源系統図を用意する
地上のAC電源、地上給電装置の型番、装置の出力、給電ケーブルの仕様、機上側の入力、機体への出力を順番に記載します。継続的な負荷、ピーク負荷、設置条件も追記してください。簡単な系統図でも、購入前にインターフェースの不整合を見つけやすくなります。
この給電方式の背景については、Vicorの有線ドローン給電方式に関する解説をご参照ください。掲載例は一般的な設計手法を説明するものです。当社の各モデルの仕様は、該当製品の仕様書とマニュアルに記載された内容に従ってください。




